NHK まるごと東洋医学SPホントのチカラ 10

  • 2018.12.17 Monday
  • 23:44

方薬

 

人参養栄湯で認知機能を改善

大井戸診療所の大澤誠医師は認知症患者の食欲低下改善を目的に、人参養栄湯を12週間投与したら食事量が平均で25%アップし、認知機能テストでも平均2点の改善が見られた事を報告しました。集中力が増して物事に打ち込める人が出てきたと話されます。
人参養栄湯を飲み続けている小林義雄さんの様子を奥さんの末子さんが「今までだったら2〜3分で忘れていたことを覚えている」と語ります。

 

アルツハイマー病で認知機能が衰える原因の一つにミエリンが減っている事が知られています。ミエリンは神経の信号をスムーズに伝える役割を果たしています。人参養栄湯はミエリンの減少を抑えたり、新たに作り出したりすることで認知機能を改善しているのではないかと考えられています。


                                       
六君子湯で寿命を延ばす可能性

北海道大学大学院薬学研究院の武田宏司教授らが体力が弱っている人の胃腸薬として用いられる六君子湯を高齢のマウス(月齢16〜18カ月、人間では約60歳)に飲ませ生存期間を調べたら、中央値で100日近く寿命が延びていることがわかりました。

六君子湯を投与することで長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子が過発に働いていました。

これにより、傷ついた細胞を修復したり、細胞活動のエネルギーを作り出すことで老化を防ぐと言われています。

 

漢方処方の精度を上げる取り組み

漢方薬を選ぶには証を見分ける必要があります。
証は陰と陽、虚と実などの概念で見分けていきます。
陰と陽は病気に対する反応。
虚と実は病気への抵抗力です。
例えば寒気を感じていれば陰、高熱が出ていれば陽と判断し、さらに問診、脈、舌、お腹の張り、書物からの知識と経験などを総合して証を決定します。


東京女子医科大学東洋医学研究所の木村容子准教授はこの証を見立てる精度を上げるために、処方結果のアンケートを取りデータを集積しています。すでに2万人分のデータが集まり、漢方治療のエビデンスを上げようと分析しています。

現在122種類の生薬が医療用に使われています。