NHK まるごと東洋医学SPホントのチカラ 11

  • 2018.12.20 Thursday
  • 20:07

                    お灸で結核を治療するinアフリカ!

アフリカ・ウガンダの首都・カンパラのキスグ病院では、お灸が結核の治療に使われています。

結核はかつて日本で大流行し、大勢の死者を出した病気です。原因は、結核菌の感染です。栄養不足などで免疫力が低下すると体内で菌が増殖し発症します。その結核が今アフリカで猛威を振るっているのです。年間の死者は数十万人以上。

 

問題は、治るまで治療薬を続けられる経済力が無い人が多いため、中途半端な治療により薬が効かない耐性菌を増やしてしまうことです。さらに、エイズにも感染している人もいて、治療が大変難しい状態です。

 

この事態を打開するために立ち上がったのは、英国人鍼灸師マーリンヤングを代表とするボランティア団体・モクサアフリカのメンバーです。彼らが治療法としてお灸を選んだのは、1929年に九州帝国大学の原志免太郎博士が行った結核に対するお灸の効果の研究論文がきっかけでした。

 


原博士は結核菌を感染させた兎にお灸をすえるとどのぐらい治るのかを研究しました。
結果は、感染前からお灸をすえていると、治る率が最も高く、結核感染後お灸を開始するのが早いほど治る率が高い事がわかりました。これはお灸によって身体の免疫力が高まった為だと考えられます。マーリンヤングさんたちはこれに注目したわけです。

 

さらにお灸の利点は、艾の原料がヨモギなので、現地で栽培できて自力で艾を作ることができる。練習すれば自分で治療ができる。治療にかかるお金がほんのわずかである。つまり、いつでも誰でも安く治療ができる点がアフリカの結核治療にとって最大の魅力でした。


そこで先に紹介したカンパラのキスグ病院で、お灸による結核治療の臨床試験が行われているのです。
そのプロジェクトを手伝うのは共同研究者の薬理学者でフシテマ大学健康科学部のポールワアコ教授です。

 

 

足の三里にお灸をすえて血液を調べると、免疫細胞を運ぶヘモグロビンの量が50%も増え、薬だけで治療した場合の17%と比べると、格段の効果です。

 

さらに、患者さんの快復率を比較すると、お灸を追加した方が快復期間が短く快復率も高い事が証明されました。(通常治療は2カ月で25人中12人が回復したのに対し、お灸を追加した方は25人中20人が回復。さらに、通常治療は6カ月やっても21人しか回復しなかったのに対して、お灸を追加した方は5カ月で25人全員が回復しました。)

 


こうした結果を受けて、ウガンダの病院で導入が少しずつ広がっています。
また、実際にお灸で結核が治った人は、回復した今も再発防止のためお灸を続けている様子も映し出されました。

 

 

お灸で免疫力がアップするメカニズム

北里大学東洋医学総合研究所・伊藤剛客員教の解説によると、ツボの効果プラス、熱刺激によりヒストトキシンや白血球などの細胞が活性化し免疫機能が向上だそうです。