整骨術、蘭人の灸治

  • 2015.11.07 Saturday
  • 01:27
   順を追って堀之内文書の中から拾った面白い言葉を見ていきましょう。まずは整骨術と蘭人の灸治です。  

 堀内忠意と言う米沢藩の医師と解体新書で有名な杉田玄白がやりとりした書状の中で「最近は杏蔭斎と申す人が伝えた整骨術と云う珍しい術を行っています。」と杉田玄白が書いています。

 この吉原杏蔭斎と言う人は長崎の正骨家で、「杏蔭斎正骨要訣」という本を残しています。珍しいと評しているのはその術の名前からもうかがえます。

 例えば、熊顧術、風車術、遊漁術、燕尾術、騎龍術といった名前の術があったようです。(杏蔭斎正骨術名之目より)なんか、中国拳法の名前みたいですね。この頃にも整骨術があったんですね。

(長崎大学付属図書館サイトより)
 さらにこの書状の中に「蘭人が灸治療をしたという話を詳しく教えてください。」と堀内が杉田玄白に尋ねています。これに対し玄白は「灸治療をしたのは蘭人ではなく唐人の間違いです」と返事しています。ちょっとコントじみたやりとりですね。

 お灸は安土桃山時代ごろから盛んになり伊吹山でヨモギが栽培され始めたそうで、江戸時代も盛んに行われていたようです。

 堀内家文書だけでなく直江兼続の書いた諸薬方書の中には、種物之秘灸、脚ノツリ痛灸、癰疔灸、寸白之秘灸、草気ニテ目ノ損シタルニ秘灸、下血長血ノ秘灸と六種類もの灸法を書き記しています。いかに盛んだったかが伺えます。