原因不明の慢性症状 6 骨膜のトリガーポイント

  • 2014.07.01 Tuesday
  • 11:07
トリガーポイントは筋膜だけでなく、腱や骨膜にも発生すると言われています。骨膜に発生した場合、一見骨折しているのではないかと疑われるような痛みを起こします。しかし、うまくトリガーを不活性化(脱感作)出来ると折れてたと思えるような痛みもあっという間に治ってしまいます。

足首の痛み 60代女性  
 18日前に転んで右足首をねんざした。病院で痛み止めと湿布をもらったが効果なく、歩くと外くるぶしが痛いとびっこを引いて治療に見えました。物につまずいて右前方に身体が飛んで右足首が伸ばされたような傷め方をしたそうです。
 病院のレントゲン検査では骨折はないと言われたそうですが、くるぶしの上に圧痛と強い叩打痛がみられ、ひびが入っているのを見落としたのではないか?と思ったのですが、患者さんが治療を試して欲しいと言うので、腓骨の骨膜に発生したトリガーポイントとして鍼先を骨膜に当てる治療を試みました。加えてアイシングとテーピングもして少々痛くてもびっこを引かないで歩くことをお願いしました。  
 二日後にいらしたときには刺すような痛みが無くなり歩きやすくなったそうで、結局3回の治療で治ってしまいました。骨膜にもトリガーポイントができるとは聞いていましたが、今回この方がそれを確認する初めてのケースになりました。  
 

すねの痛み 30代男性  
 2ヶ月前から砂利道をジョギングしてたら次第に左すねの内側が痛くなった。気にせず続けていたら、とうとう立っているのもつらくなった。と治療に見えました。左の脛骨下15僂阿蕕い里箸海蹐どこを押しても飛び上がるほど痛がり、叩くと響くので、ヒビが入っている可能性も否定できませんでした。
 しかし、転んだりぶつけたりしたわけでもなく、ジョギングをしているうちに次第に痛みが増してきた経緯からして骨膜の痛みではないかと推察し、一番細い鍼で圧痛を目安に刺鍼し骨に当てるようにして打ち、お灸を据えて一回目の治療を終えました。治療直後は痛みが少し軽くなったぐらいでした。念のため病院でレントゲンを撮ってもらいヒビは入っていないとわかりほっとしました。
 この方はがに股で歩くため、ジョギングもがに股になっていたようで、つま先を真っ直ぐにして歩かせると痛みが少なくなることから、走り方が悪くて左のすねの滑膜にトリガーが出来たのではないかと思われました。つま先を真っ直ぐにして歩くように指示して足底にテーピングを貼って帰しました。
 その後は治療翌日には痛みが減り、3日後来院したときはすねの圧痛が1/10ぐらいに減って歩いても痛くなくなっていましたので、2回治療して終了にしました。

手背の打撲痛 10才 男児
 6日前に野球の試合の事前練習中コーチが投げた玉が左の手の甲に当たり受傷した。何の手当もされないまま試合に出させられた。試合中ライナーをキャッチしたらズキンと痛みが手に走り、その後フライを打ったときも同じように激痛が走り、手が腫れて痛みを我慢できなくなって離脱させて欲しいと申し出た。
 その日は遠征だったので、痛みをこらえながら帰宅してから近医でレントゲンを撮ったら骨に異常はない、痛みが増すようだったら来るように言われ痛み止めと湿布が処方された。さらに超音波治療を受けたが頭が痛くなって止めた。その後は痛みが増すことはないが治らない。手に響いて痛いので走れないと言って連れてこられました。
 本人は何をされるのかといった表情でおびえており、受傷した左腕は怖がって動かそうとしませんでした。まさにプチPTSDの典型例です。そっと手を動かさせてみて麻痺が無いことを確認し、握力を図ってみると右11垪0圓任靴拭
 「痛みをこらえてよく頑張ったな。痛かったろうけど、チームに貢献して偉かった。我慢したご褒美に何か買ってもらわないとね」と声をかけたら、にこっとしていました。
 圧痛は打撲した手の甲を中心に手首を背屈させる筋肉上に並んでいました。全ての圧痛に極細の鍼を刺し、お灸を据えました。治療直後は圧痛が少し減ったのを確認してから手首に固定用のテーピングを巻いて治療を終了しました。
 2日後見えたときにはだいぶ左手を動かせるようになっており、患部の圧痛も1/3に減って、握力は戻っていました。同じように治療してさらに2日後来院したときはにこにこと元気な表情で、自分から「痛くなくなりました。大丈夫です」と答えて治療室に入ってきました。手を叩いても動かしても痛みが無く圧痛も消えていたので、治療終了としました。

 トリガーポイント鍼療法については現在急速に研究開発が進んできています。私が取り組み始めた頃は浅い所の筋肉のこりしか見ていませんでしたが、最近では深い所のコリや、骨膜などにも治療するようになり、紹介したような効果を上げられるようになってきました。また、痛みやしびれだけでなくその他の愁訴でもトリガーの可能性を探るようになっています。
 トリガーポイント鍼療法が完成すれば、鍼灸治療の医療的評価は確たるものになるでしょうし、その他の鍼灸の効果についてもより研究が進むことになると思います。
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