原因不明の慢性症状 4 MPS

  • 2014.07.03 Thursday
  • 10:52
筋、筋膜の問題(トリガーポイント)が主因だった症例  

 トリガーポイントという言葉をお聞きになるのは初めての方もいらっしゃるでしょうからまずはトリガーポイントがなんなのかを、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会の見解を抜粋要約してご説明します。
 
筋筋膜性疼痛症候群 MPSとは?

概要  筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい とうつうしょうこうぐん、Myofascial Pain Syndrome:MPS)は、筋肉が原因となって痛みやしびれを引き起こす病気です。 日本では筋痛症とも呼ばれることもあります。  
 この病気は1980年代にアメリカで『Travell & Simons’ Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual (筋筋膜性疼痛と機能障害: トリガーポイントマニュアル)』(Janet G. Travell 医師とDavid G.Simons医師の共著)という医学書にて発表されました。  
 通常、我々が急激に重い物を持ったり、無理な姿勢等により繰り返し筋肉に負荷をかけると筋肉に微小損傷が発生します。いわゆる筋肉痛の状態です。通常、この痛みは数日程度で自己回復をします。しかし、さらに、繰り返し筋肉に負荷を与えたり、寒冷にさらされたりして血行の悪い状態を作ると、その部分が痙攣(けいれん)状態になり短期間で自己回復できなくなります。この状態が筋筋膜性疼痛症候群(MPS)になった状態です。
 筋筋膜性疼痛症候群(MPS)では一般的な筋肉痛とは異なり、痛みやしびれの強さが相当激しいものになり、更に痛みやしびれの範囲が広範囲に発生します。 症状 この病気の主な症状は痛みとしびれです。

原因  重いものを持ったり、長時間の同じ姿勢、筋肉に負担のかかる姿勢などによる筋肉への過負荷が大きな原因です。

診断  筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の存在自体が日本ではほとんど知られていなく、レントゲン、MRI、血液検査などに現れないため、一般の医療機関では診断、治療が困難です。筋筋膜性疼痛症候群に詳しい医療機関で診断をしてもらう事が必要です。 押すと痛みが広がる部位(トリガーポイント、発痛点)があるか?  筋筋膜性疼痛症候群(MPS)では、筋肉の痙攣(けいれん)、硬直部位に物理的に力を加えると、そこから痛みが広がるような点が見つかります(トリガーポイント、発痛点と呼びます)

間違えられやすい病気  筋筋膜性疼痛症候群(MPS)は以下の病気として、誤った診断をされることがあります。
•緊張型頭痛•顎関節症•頸肩腕症候群•五十肩•テニス肘•腱鞘炎 •椎間板ヘルニア•脊柱管狭窄症•椎間板症•腰椎すべり症 •変形性股関節症•変形性膝関節症•半月板障害 他 
また、発生した筋肉の部位により、以下のような症状が出ることがあります。
•非回転性めまい •耳鳴り

治療  筋筋膜性疼痛症候群の治療においては有効な医薬品はまだなく、治療により筋肉内の痙攣(けいれん)を解く治療が一般的です。
トリガーポイントブロック注射  筋肉の痙攣(けいれん)部位に局部麻酔注射をすることにより、筋肉の痙攣(けいれん)を解き、血流を改善する方法です。(一般的に痛みの治療で行われる、「硬膜外ブロック注射」「神経根ブロック注射」とは異なります)
トリガーポイント鍼療法  東洋医学の鍼治療で用いられる鍼を使用して筋肉の痙攣(けいれん)部位に刺激を加え、痙攣(けいれん)を解く方法です。  

 しかし、この見解も日々変化しつつあります。今の時点で私が理解しているのは、
筋肉のこりが痛みや痺れ、違和感、自律神経症状などを引き起こす事が医師の間でも認められてきている。
コリの中でも思わぬ所に痛みを飛ばし、長年苛み続けるようなものがある。
それに注射や鍼を打つと場合によっては瞬時に症状が取れる事がある。それをトリガーポイントと呼んでいる。と言うことです。

 人の身体は痛みを発している場所と痛いと感じる場所がずれてしまう事があります。この場合痛いと感じる場所を触っても、痛みが再現されることはなく、少し離れたところを押すと痛みが再現できるポイントが見つかることがあります。そのポイントこそトリガーポイントです。  
 これまで、痛みの大半は神経が圧迫されて炎症が起こって発生すると言われてきました。そこで消炎鎮痛剤を処方したり、痛みを起こしていると思われる神経に麻酔薬を注射したり、神経を圧迫しているものを取り除く手術がとられてきましたが、中にはそれらが効かないケースが数多くありました。そうした痛みの大半が実は筋肉のこりが原因となっていたのではないかと言われ始めています。
 トリガーポイントによる痛みは原因が解消されない限り何年でも持続し、痛みも強く、痛みを遠くにまで飛ばす性質からまるで椎間板ヘルニアによる神経痛とよく似た症状を起こします。また、神経痛や関節炎に合併しても起こるため、痛みの原因と思われた問題を治療したにもかかわらず痛みが残ってしまうケースがあったわけです。そこで痛い所には常にトリガーポイントがあることを考慮する必要があるのです。
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