養生医者の真骨頂

  • 2006.03.23 Thursday
  • 23:40
手前味噌な話し

耳鳴りで治療していた患者さんが最近足の親指が痛むことがあると訴えました。さて外反母趾か痛風かと指を診てもそれらしい様子はありません。たまに痛くなってはいつのまにか治るとのこと。

「もしかしてお風呂で身体を洗う時、椅子に腰掛けずに片膝立になってませんか?」と尋ねると「何で分かるのですか」との答え。そこでバスマットを敷いて正坐するか椅子を使うように話したのですが、本人は半信半疑で帰宅しました。しかし次に治療に見えた時には指の痛みが減って、原因がお風呂での姿勢だったことを実感したそうです。

彼女の足の指の痛みから入浴中の癖に発想がいく医者はそういないでしょう。私は臨床でこうした癖の発見をとても大事だと考えています。たった一言で今後の痛みを予防し、かかるはずの医療費や時間、薬による身体の負担などを未然に防げるからです。

この患者さんが痛み止めを飲めば一時的には痛みが取れたかも知れませんが、原因を見つけておかなければまた同じことの繰り返しになったでしょう。検査だけでは生活習慣の中に隠れている原因を見つけ出すことはできません。

患者さん自身が意識していない癖を見つけるのは、幅広い知識と経験そして洞察力を必要とします。「検査で異常がないからどこも悪くない。心配するな」で終わりにして良いと考えている医者には救えない愁訴です。

私は「検査で異常がないのに症状が取れないのはなぜか?」から自分の診療をスタートさせます。本当の原因を見つけ出す姿勢を崩さなければ必ず見つかるものです。
 
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