原因不明の慢性症状 3 問題行動によるもの

  • 2014.07.04 Friday
  • 10:50
 問題行動が原因だった症例の要点だけ羅列します。
まずは、コルセットや履き物、杖などの使い方が問題だった例です。

コルセットによるあばらの痛み80代女性
 あばらが痛くなり、右腕も挙げられなくなったおばあさんが治療にみえました。この方の原因は畑仕事をするときに締めていたコルセットでした。前屈みになったときにコルセットがあばらに当たって痛みを起こしていました。しばらくコルセットを着けるのを止めてもって治療したら痛みはなくなりました。

MRIでは分からない麻痺の原因 70代男性 
  6時間後部座席に乗りっぱなしのあと車を降りたら左下肢が麻痺して力が入らなくなった方が治療に見えました。脳神経科でCTを撮ってもらったが異常なく、整形外科でMRI検査を受ける事になり、検査まで間があるので鍼灸でなんとかならないかと思っての来院でした。  
 一時的な麻痺は何かで神経を圧迫すると起こると云う話をしたら、ご本人がコルセットを締めて車に乗っていたことを思い出して原因が見つかり一件落着となりました。

思わぬしびれの原因40代女性    
  日中立ち仕事で歩いていると夜になってから足底がしびれる。とくに小指側が強いと訴える患者さんが来ました。靴下の小指側のすり切れに気がついて、ご本人に内股で歩かないか尋ねたところ思い当たらないとの返事でしたが、その後患者さんがサンダルのベルトが少し切れて足が外側にずっこけたまま履いている事に気がついて、そのサンダルを履かなくしたら治りました。

胸の痛み 90代 女性     
 腰椎の圧迫骨折や転倒で入退院を繰り返した後、帰宅後一週間して右胸が痛くなり痛み止めが効かないとおばあさんが来院されました。この方の杖をついて歩く姿から胸椎に負担がかかって起こる肋間神経痛であることに気がついたので、杖をつかず両腕を腰に当てるか手を膝の上に置いて歩くように指導して治療したところ痛みは治まりました。          

 テレビやパソコンのモニターの位置が正面でないと頚を痛めることがあります。

寝違い20代 男性
 寝違いで頚が回せなくなって治療に見えた方がいました。この方の原因は職場のパソコンが右側にあって常に右を向いて仕事をしていたせいでした。パソコンを正面にして仕事をするように注意して治療したら治りました。  

肩痛 60代 女性  
 左肩が寝ていると痛くなり、動かし始めが悪いと治療に見えました。この方の場合はテレビが自分の座っているところから左に位置するため、常に顔を左に向けていたのが原因でした。正面で見るようにして治療したら三回で痛みが取れました。  

 本人が好きでやっていることが原因の場合、そのことを口にするのは最後になることが多いようです。

三味線で痛めた肩と肘 60代 女性  
 1月前から右肘を曲げ伸ばす時痛く肩もこる。多分添い寝をしている孫に布団をかけるのが影響しているように思う。と言って治療に見えました。
 孫に布団をかける動作だけでそんなに痛めるのか疑問に思いながら治療を始めたのですが、2回目の治療の時に三味線を毎日2時間練習すると聞いて、肘と肩の痛みの原因がそれだと確信しました。 練習を控える様にお願いしても、なかなか同意してくれません。あれやこれやと説得し、なんとか練習を日控えてもらって治療したらすぐに症状が軽減して良くなりました。

 普段の無意識の仕草が治りを悪くしている場合があります。

頸痛 60代 男性 
 左の首から肩にかけて痛くなり、レントゲンでは頸の骨がずれていると言われた方が来院しました。この方の場合テレビを横になって肘を立てた腕枕で見る癖が原因でした。座ってテレビを見るようにさせて治療したら痛みが出なくなりました。

 体重の変化も大きな原因になるので、問診で必ず最近の体重の増減を問いただします。

膝痛 80代 女性  
 90を過ぎたおばあちゃんが、2ヶ月前から階段の昇り降りで膝が痛くなった。シップで良くならないと治療に見えました。膝の変形はあまり進んでおらず最近増えた体重が原因になってるようでした。ご本人に減量をするようにお願いして鍼灸治療を始めたところ6回治療してよくなりました。

 姿勢の悪さは症状を繰り返す大きな原因の一つです。

手の痺れ 40代 男性  
 2ヶ月前から右手が痺れ冷たく感じるようになったと言って治療にみえました。 治療ベッドに腰掛けた姿勢は、疲れたようにぺこっとお腹をへこまして背中を丸め顎を上げた状態だったので姿勢を良くすると手の痺れは治ってしまうと話して治療したところ、半月でしびれは治ってしまいました。本人が気持ちを切り替えて姿勢を正すように気をつけたのだそうです。

 緊張症の人はいろいろなところに力を入れてしまい、症状を長引かせる傾向があります。

精神緊張から来る手のしびれ 40代女性
 
 ストレスや天候などで体調が崩れると右腕が全体にジーンとしびれて手に力が入りにくくなる。2日前にシビレが強まり手が腫れて指の曲げ伸ばしがやりづらくなった。と言って治療にみえました。
 この方は緊張すると肩を前にすぼめる癖があり、胸の筋肉が硬くなって神経と血管を圧迫しやすくなってました。ご本人には肩を前にすぼめる動作を極力しないようにお願いし、硬くなった胸の筋肉やその周囲を解すように治療たら腕のシビレは取れました。

後頭部痛 30代男性  
 パソコンの仕事が忙しくなると頚肩こりが強まり後頭部から頭頂部にかけてガーンとした痛みが出てくる。とのことでした。
 かなり過敏な方で、身体を触診している間にも力を入れて緊張してしまうので、まずは緊張をゆるめる非常に浅い鍼の打ち方をしたら4回の治療で良くなりました。

精神緊張とバネ指 80代 女性  
 2ヶ月前から左母指がバネ指になった、整形外科で注射を打っても効果なく、タオルを絞ると痛い。母指を曲げ伸ばしすると指の付け根でカクカク音がする。と言って治療にみえました。左母指の付け根を触ると、母指の屈筋腱が尖った小石のように腫れていました。
 この方は家庭に大きな悩み事を抱えていて、治療の度にその話題になると親指に力が入ってしまうので、力を抜くように意識させて治療したら、急に治り方が良くなりました。

 人は痛いところがあると、気になっていじる過ぎる事があります。

首の痛み 40代 男性

 半年前から下を向くと左頚肩から腕にかけて痛みが走る。と言って頭を右に傾けて窮屈そうなかっこうで治療にみえました。3週間前に整形外科を受診し、レントゲンで3番と4番の間が狭くヘルニアと言われたそうです。
 頚の可動域を調べてみると制限はそれ程でもなく、時々頭がまっすぐになる瞬間が見られました。この方の場合は、敢えて辛いところを伸して刺激することで痛みを和らげようとしていたようで、結果として刺激のしすぎで症状を長引かせていました。
 そこで頚の圧痛や緊張したところに鍼を打ち、意識して頚をまっすぐに保ち、振り向いたりするときにゆっくりと普通に動かすように指導して治りました。  

舌痛症 60代女性  
 そもそも歯の治療後から苦味を感じたことから症状が始まり、左目と左鼻筋。舌のへりと唇の内側が痛くて歯科で治療したが治らず、皮膚科に行ったら金属アレルギーだと言われ銀歯を全てはずしたが変わらない、耳科、内科、眼科、脳外科、麻酔科、米沢、山形、福島、宮城の名立たる病院を渡り歩いて六年もの間苦しみつづけいるのにどんな治療をしてもあまり変わらなかったそうで、それぞれの病院では異常がないと言われていました。
 口だけを見れば治療中ずっと舌先で唇の裏を舐め回しているので、患者さんに無意識で舐めるのを止めるには、気がついた時に軽く口を開いて深呼吸をし、頬を揉みながら力を抜くように指導しました。それから6日後治療に見えた時には「自分が如何に身を硬くしていたか良く分かりました。症状がぐっと楽になりました。」と言って喜んでくれました。 それから約半月様子を見ましたが、痛みはすっかり消えました。

頸肩腕症候群 50代 女性  
 半年前縮れ毛矯正でアイロンをかけてもらったら髪の毛が気になって常に髪に手が行くようになった。常に毛先が気になっていじくりまくって1ヶ月したら両腕の付け根がだるくなり、常にビリビリし指が腫れて指輪も外した。マッサージをすると楽だが腕を使うとすぐに辛くなる。さらに1週間前から右腕がけいれんして箸が持てなくなりフォークで食事している。とのことでした。
 この方の場合、ご家族を亡くされたり、大病した方が出て大変ショックなことが続いたそうで、潜在的不安から毛先のチクチク感に対する強い執着が起こり、結果として腕を使いすぎて症状が出ていました。
 筋肉をほぐし、身体全体の緊張をゆるめる治療をしたところ、翌日には手の腫れが引き、髪も触らなくなりました。

野球肩 30代 男性
 1ヶ月半前から野球で右肩が痛くなった。主にスローイングの時に痛い。医者で診てもらって肩鎖関節の炎症と言われシップをもらっているが治らない。と言って治療にみえました。
 ご本人は悪い場所を突き止めようとこの1ヶ月右肩をずーといじりっぱなしだったそうです。そこで、肩をいじり回す行為を止めるように話しました。  この日も運動鍼をやって治療を終え、けして右肩をいじらないようにお願いして治療したら投げても痛みが出なくなりました。  

一般に人は痛いところがあると、無意識でそこを押したり揉んだりするものです。そうすることで痛みが一時的に緩和されるのも事実です。しかし、探求心の強い人や、不安の強い人は、大概何処が何で痛いのか解明したくて痛みを再現し、悪い場所を探そうとします。結局それが痛みをいつまでも治らないようにしているのです。 医者の診断が間違っているわけではないのですが、患者さんの不安を取り除こうとせず、養生も指導せず、そのうち治るでしょう的な対応をしてしまうとこうしたトラブルが発生します。 痛みを気にしてびっこを引くのも症状を長引かせる原因になります。

普通に歩いて取れた足の痛み 50代 男性  
 10日前に右足で小石を踏み抜いて5針縫った。 抜糸したが不安で足が付けない。 傷を浮かした格好で歩いてるせいか、腰も肩もあちこち痛くなってきた。と言ってびっこを引きながら治療にみえました。 痛いところの治療を一通りやり終わってから、びっこを引かず、傷口をかばわないでゆっくり正しく歩くように指示しました。患者さんは恐る恐るでしたが、ちゃんと傷口も床に付けて歩くことが出来ました。それっきり下肢痛も腰痛も治ってしまいました。

 足を怪我すると傷をかばってびっこを引くのが常ですが、そうすることで治りは極端に遅くなってしまうばかりか、あこちに痛みが広がってしまうことも多いものです。それは傷をかばうことで脳に「その場所が痛いんだ」と記憶させてしまうため、いつまでも痛みが取れなくなる場合があります。
 傷があらかた治っているのであれば、「そこはもう大丈夫なんだよ」と自分の脳に教え込んで、痛みの記憶を消てしまうと残ってる傷の治りも早くなるのです。また、こうした痛みの記憶を消すのに鍼の鎮痛作用は役に立ちます。上手くすると、わずか1本の鍼を1仍匹垢世韻修両譴任舛磴鵑畔發せることが出来ます。

 
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