玉川病院研修生時代の思い出 最終回

  • 2006.03.30 Thursday
  • 23:19
東西両医学の融合
私が研修を受けた玉川病院では医師と協力して治療が出来る鍼灸師を養成し、東西両医学の融合を実践していましたので、両医学の良いとこ取りが出来て、患者さんにとっても治療者にとっても誠に理想的な医療環境でした。

鍼灸治療は様々な場面で西洋医学の不足を補えるばかりでなく、西洋医学で治療に行き詰まったときの解決策としても優れた力を発揮します。私が病院で行ってきた実例を紹介しましょう。   

鍼灸が役立つ場面
圧迫骨折で背骨が潰れると、かなり窮屈なコルセットをはめて一ヶ月ぐらいベッド上で安静を強いられます。じっと寝ていると腰や肩が痛くなり、ストレスも溜まり、しょっちゅう看護婦さんが呼ばれるのですが、せいぜいシップを貼るぐらいしか手立てはありません。しかし、ここで鍼灸治療を加えると、ほとんどの愁訴が改善され、しかも圧迫骨折による痛みも早く治まります。

また、足を骨折した人がひどい肩こりを訴えた事がありました。折れた側の足が冷えて、逆に肩や首がのぼせてしまったためで、足の血行を良くするように治療したらのぼせがとれて肩こりが楽になりました。

脳卒中の患者さんでも冷えのぼせの為にイライラが強く、周りに当たり散らして全くリハビリが出来なかった時も、鍼灸治療でのぼせとイライラを治めてあげると、人が変わったように素直になり、ぐんぐん」リハビリが進んで退院されたケースもありました。

痛み止めを切らすわけにはいかない人が胃を悪くして薬が飲めなくなった時は、鍼灸治療で胃の調子を良くして再び薬が飲めるようにします。体質的に痛み止めが使えないときや、妊産婦でむやみに薬が飲めないときも鍼灸治療は役に立ちます。特に、歯科治療後の痛みなどは鍼でぴたりと止められます。

それから、胆石をとっても背中の苦しさが残った時などは、西洋医学ではどうしようもないのですが、鍼灸で背中のコリをほぐせば楽になります。お灸で逆子を治すことで帝王切開を免れる事もあります。

このように東西両医学を合わせて行うと、安全で快適な医療が実現します。私達が米沢で実現しようとしているのも、東西両医学を上手に組み合せた治療です。帰郷して十八年。お医者さんも患者さんも私達のやり方を理解して下さる方が増え、随分仕事がやりやすくなりました。

研修の仕上げ
話しをもとに戻し、私の病院での研修も四年目に入ると対外的な活動としての学会発表や、研究活動も担わされ、後輩の教育にも力を注ぐようになりました。五年目は地域住民に対する東洋医学の啓蒙活動として講演会を企画し、代田先生と一緒に講師を務めました。        

この年の十月には二年下で研修を受けていた家内と結婚し、東京での生活にも区切りをつけることにしたので、残りの半年間は小児科、外科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科の外来見学をさせてもらいました。このときは鍼灸師でもできる診察法の習得に力を入れました。

そのころ家内は、産婦人科疾患の勉強で遠藤美咲先生のもとで、生理痛や無痛分娩の研究をお手伝いしていました。さらに、産婦人科の見学もさせていただき、二人で病院内のすべての科を隈なく見せてもらいました。

こうして中身の濃い五年間を過ごし、良きパートナーも得て平成元年四月に帰郷し、再度鍼灸臨床に取り組むことになった訳です。     おしまい


 
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